2014年04月30日

船の修学旅行

最後の修学旅行は何年前だったか。高校2年生(私の学校は2年生の秋に修学旅行

へ行っていた)の時だからもう37年前になるか。私の通っていた学校は大阪府の

堺市にある。当時の堺市の高校の修学旅行は九州へ行くのが多かった。当然に自

分たちも九州へ行くのだと思ったら、東北旅行の候補が上がってきた。九州へ行

くか、東北へ行くかの二社選択となる。個人としては家族の話からも九州に対す

るなじみがあったので、九州へ行くものだと信じていた。九州への旅行は帰りが

船で帰ってくる。一方、東北は行きも帰りも鉄道だ。私の学年が出した結論は東

北への旅。堺のその他の高校は九州への旅を選んだ。私は東北への旅行で初めて

山手線に乗り、東北本線に乗った。山手線に初めて乗り、上野で乗り換え、荒川

を渡ったときのときめきは今でも鮮明である。

 修学旅行の船の旅のクライマックスは夕刻から夜にかけての船のデッキだ。こ

の船のデッキに修学旅行時点で付き合う男女のカップルが並ぶ。噂通りのカップ

ルや驚きと失望のカップルなど、修学旅行の多くの思い出がこのデッキで養成さ

れるというわけだ。私たちは東京からの夜行「銀河」で大阪に向かい、カップル

がデモするデッキはなかった。夜行電車の旅ももちろんよかったが、船の旅も

憧れではあった。

 修学旅行生を多く乗せた韓国の船が沈没した。今日で約1週間が過ぎている。

不明者はまだ数十人残っている。沈没する船からの避難行動においての船の乗

組員の対応、そして国の対応が国際ニュースになっている。大統領の陳謝の発

言も出て、韓国の国内を大波が押し寄せるように大きく揺るがしている。沈没

する船から真っ先に逃げた人々の一人が船長だという。もう言葉が見つからな

い。取材が進むにつれて修学旅行生の子供たちの沈みゆく船の中でのやり取り

が公表されている。動こうにも船内放送で動かないように指示されたのを忠実

に守っていた子供たちだ。彼らは結局取り残された。逃げ遅れが解り、両親へ

の言葉を残す子供、弟や妹に‘修学旅行には絶対に行くな、船には絶対に乗る

な、自分のようになる’と警告する兄。添える言葉は陳腐としか思えないよう

な極限の状況である。

 大きな災害が来るたびに、人間は何を過去から学んできたのか、というあり

ふれたフレーズが繰り返される。人間は結局何も学んでいないのだ、というの

は言いすぎかもしれない。しかし目先の欲は人間が営々と積み重ねてきた知恵

を受け入れず、すべての知恵を弾き飛ばす絶対の力を持つのだろう。

 沈んだ船にもデッキにいた高校生はいただろうか?幼さが残る心で、大人に

なりかけの気持ちで優しく、彼氏は彼女に語りかけただろうか?彼女は海の優

しさとともに彼の言葉を受け止めただろうか?記憶も彼ら彼女らの言葉も沈ん

だ船とともに海中にある。
 
posted by P.S.コンサルティング at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2014年04月07日

8(はち)

8は日本人には縁起がよいといわれている。というと7もラッキー7(セブン)

というわけで、これは西洋のほうの考え方らしい。西洋の考え方は言わば、キ

リスト教で、それもユダヤ教にまで源があるそうだ。甲子園球場では地元の阪

神を応援するために7回のイニングラッキーセブンでは風船をとばす。これは

すでに風物詩となっている。

 さて、8である。日本ではよく言われる末広がりのの八である。末広がりは

何でよいのか、詳しいことは知らない。末(あとのほう)が広がっているので

、成長していくという意味だろうか。人生の幸福は末広がりであってほしいと

思うが、なかなか実現するには骨がいるものだ。7と8は西洋と日本で続いて

縁起がよいものと考えてよさそうだ。

消費税が8%になった。

5%になってから十数年が経って、以前の消費税アップの大騒ぎほどに8%は騒が

れていないようだ。消費税を語れば内閣が倒れるとまでいわれた税だが、国民

も国の財政が相当に厳しいことを知っているので、あまり反対運動は起こらな

かったようだ。国民が国の財政が厳しいことを知っているということには、国

がうまく国民に広報したのだと考えるが、そもそも国民に消費税反対をするほ

どの熱気がうせているように思える。民主党さんのおかげでの自民党安倍政権

の支持率が高いようで、これもなんとなくすんなり8%が導入された要因の一

つといえる。来年の秋には消費税10%が待ち受けており、景気の動向により

導入を検討すると政府は言っている。どうなるかわからないとマスコミでは言

っているが、国の財政は真っ赤であるので、ほぼ規定路線ではないだろうか。

ほんの一年半先のことではあるが、欧米に比べて、消消費10%は決して高い

ものではないらしい。この点を国はプロパガンダをしていくのだろう。8にな

れたとたんに10%になり、まだまだ消費税は上がる様子がある。何%まで国

は上げようしているのか、経済学者ではない僕にはトンとわからないのだが・

・・。

 ただ言えるのは、現政府の施策が今のところ狙ったとおりに行っているとい

うことだ。

それがとても不気味である。
posted by P.S.コンサルティング at 18:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記