今日は4月9日。例年の春のさくら狂想曲が終わりかけのところに季節外れ
の雪が日本列島を覆った。ピンク色のさくらの花の上にはそれこそ綿菓子の
ような白い帽子が小さな山のように積もっている。小さな山も気まぐれな気
候で1日経てば消えてしまう。小さな帽子がなくなれば、いよいよ葉桜が桜
の花びらを追い出してしまう。葉桜の出現とともに新年度や新学期が動き
出した。
晴れて我が家の末っ子の次男坊も新入生となった。仕事柄、企業の新
入社員の研修をいくつかの企業で行わせてもらっているが、初々しいと
いう言葉が感じられる。自分にもその頃があったのだと、ほんの少しは
昔を思い出したりする。次男坊は新高校生となり、電車通学を始めた。
中学には徒歩での通学だったのが、ある日から定期を携えた電車通学と
なった。彼にとっては定期を持つことだけでも大人の気分を味わったこ
とだろう。それに人生初の電車通学となる。最寄りの急行が停車する駅
まで自転車で約5分。急行電車に乗り学校の最寄駅まで約20分。駅からや
く10分の坂道を通う。次男がいく学校は縁があって、長男も通った学校
である。次男は長男の後を追うように、幼稚園、小学校、中学校、高校
と長男の後輩となる。これもまた親からしてみれば、クスッと、小さく
笑いたくなる出来事だ。まあ、家から近い学校が望ましかったのだが、
坂の上の学校に縁があったのだからこれからこの縁を大切にしていく
ことになる。
坂の上の学校はほぼほぼ山に近いところにあり、これいな桜の花も
ある。学校のさくらも卒業生を追い出す華やかなピンク色が途絶えて
、力強い緑の葉桜が目をだし、不安と希望を持つ多くの新入生を迎え
てくれるだろう。むくむくと世間に存在を主張するたくましい緑の
芽吹が新しい生活を迎える若者に力を与えるものだと信じて止まない。