2015年12月07日

頭文字

世の中には一生涯見ることがない単語が沢山ある。大学入学のとき

にお世話になった人が「辞書を読んでいる」と言ったことに、私は

すごく衝撃を受けたものだ。辞書は‘引くもの’(調べるもの)で

あった読むものではないと当時の18歳の私は思っていたのだ。辞書

の他に「現代用語の基礎知識」やこれらに類するモノがその後数多く

出てきた。分厚く重たく鞄に入れるものではなく本棚に鎮座させるも

のだと思っていた。この中のいくつの単語を知っているのだろうか、

と学生時代殊勝に思ったものだが、マルクスの資本論と同じく、読み

始めて少ししてまた部屋の飾りとなった。

 これら知識としての単語はきっと不変なものだろうけれど、続々と

日々が重ねるにつれて新しく言葉が生まれる。どんな言葉かというと、

頭文字をとった単語だ。OECD(経済協力開発機構だったか)とか他色々。

ウルトラシリーズに出てくる正義の部隊も頭文字だけで発音するので、

直接に意味が解らないものがあった。サンダーバードは日本名「国

際救助隊」だったかというので、意味が解るが、世の中に煩雑に躍

り出ている頭文字だけを取った単語の言葉は勉強が不足している私に

はよく意味が解らないものが実に多い。

 スペクター。最初はこれだけでなんかの意味があるのかと思ってい

た。それらしい響きがあったからだ。しかしこれはいくつかのシリー

ズの作品の中に出てくる組織名の頭文字を取ったものらしい。それが

今作の組織の名前になっているのだから何が何だか分からなくなる。

50歳のボンドガールを配役した今回の007は、今までと変わりなく、

いや今まで以上に面白い内容だった。個人的には導入部分のメキシ

コで行われている「死者の日」がとっても興味深く、この祭りは本

当に毎年催されていて、これを映画の舞台にするとは、なんとセン

スの良い作品だと感じ入った。(映画は是非皆さん、ご覧になって

下さい。盛りだくさんすぎるほどに満載されています)さてスペク

ター。綴りはSPECTRE。語尾のアルフアベットがREとなっ

ているので、私は最初‘スペクトレ’と呼んでいて、何のことだろ

うと解らなかった。伸ばすのならREではなくてERだろ、と思っ

たのだが・・・。スペクターが組織名で、綴りは今までの007が関

連した組織名の頭文字を取ったものだという。また作品のモチーフ

となっているのは蛸でこれはオクトパスだろうと・・・スペクター

という単語はダブルミーニングでもなく、単なる遊びとして頭文字

と組織名を掛け合せたものなのか、と今も少しモヤモヤしている。

 頭文字だけの言葉。これが辞書に入ってくるとは思えないが、現

代用語の基礎知識の類にはこれからも含まれていくに違いない。言

葉の増加が文化の進歩というものなのだろうか。まあ使わなくなっ

た死語というものもがあるから、言葉は増えているのか減少してい

るのかホントのところは不明だ。しかし、ややこしいには変わりは

ないな。
 
posted by P.S.コンサルティング at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2015年12月06日

新の始まり

 今年の年の最後の月に入った。残りの日数が秒読みに入った。この月は

世間では師走と呼ばれていて、師も忙しく走り回るという事らしい。忙し

く走り回る月が始まる少し前に弊社P.S.コンサルティングは引っ越しを

行った。引っ越し先は家から50メートルぐらい離れたところ。実際に新し

い事務所から息を止めて家まで走れ、と言われれば走れるくらいの距離で

ある。大阪市から堺市へ。家のある住んでいる町へ帰ってきたという方が

適切なのかもしれない。

 新しい事務所は3階建ての町工場後の2階。3階には40平米ぐらいの

スペースがある。この2階を改装して新しく事務所仕様とし、3階をイ

ベントスペース仕様?としてこれもきれいにした。この年齢になって新

しく建物の改装費を借り入れなんて、ある人には褒められるし、ある人

には感心されるし、ある人には激励されるし・・・自分でもこれからも

うひと踏ん張り、まだまだ仕事を頑張らないといけないな、と思うわけ。

 この事務所は実は私が中学1年から浪人まで過ごした建物。隣には70

坪の典型的な町工場の建物がある。その工場には昔は(40年ぐらい前)

10数人のおじさんが働いていた。2階は私たちの住居の居間と工場の事

務所、それに3階には4つの部屋ある私たちの住居であった。2階の事務

所兼居間を取り潰して広いスペースにし、3階の4つあった部屋をこぶち

抜いて2つの部屋にしたと言う次第。もともと実家の工場は私が生まれた

時には10年ぐらい経った会社で、その町工場を数年前に4代目社長が閉鎖

した。業歴はざっと40年強ぐらいか。私は生まれて、西の方角にある堺

旧市街の幼稚園に通い、北にある小学校と東に位置する中学校に通い、南

の坂の上の高校へ通って、上方で浪人生活を経て都の西北の大学に入るま

で、過ごした建物である。

 この場所で事務所を新しくして、新しい事業を起こそうとしている。

 思えば今までの私の人生、そんなに遠くへ行ったわけでもなく、故郷に

錦を飾るほどに活躍してきたわけでもない。自分なりに精いっぱい働いて

きて(まだまだ足りないかもしれないが)家庭を持ち、3人の子供も大過

なく過ごしている。

 生まれた場所に戻ってきて、これからはじまる『新さ』に原点を感じて

いるのは、やや感傷的すぎることかもしれない。
posted by P.S.コンサルティング at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記